【電流・電圧、回路、磁界】 なぜ,電子の流れる方向と,電流の流れる方向は違うのか?
中学生からの質問(理科)
電流は電子の流れと習ったけれど,なぜ電子の流れ(−から+へ)と,電流の流れ(+から−へ)は違うんでしょうか。
電流の流れる向きと,実際に移動している電子の方向が違うのは,電子が発見される前に電流の流れる向きを決めてしまい,今でもそれをそのまま使っているためです。
電流の研究が始められたころ(西暦1800年ごろ),ボルタという人が電池を作ることに成功しました。
そして,「電流は電池の+極から−極へ向かって流れる」とされました。
しかし,実際にどういったものが流れているのかは,まだわかっていませんでした。
それから約100年後,電子(−の電気を持った小さな粒)が発見されました。
電子は−の電気を持っているので,電池の+極のほうへ引きよせられます。
「電流は,−極から+極の方へ向かう電子の流れである」ということがわかったのです。
しかし,「電流の向きは+極から−極」という考え方がすでに広まっていたため,そのまま変更されませんでした。
ちょっとややこしいのですが,現在でもそのまま「電流の向きは+極から−極」を使っています。